どじょうよ、ちょっと聞け。

お盆も終わった平日、私は長男と近所のホームセンターにいました。

目的は一つ。

どじょうの家を建てるためです。

前日の深夜、正体不明の生命体として私を「しぇー」に追い込んだ、あのどじょう達です。

まさか翌日、その家を私自身が買いに来ることになるとは思いませんでした。

どじょうの家を探す

私と長男はペットコーナーに辿り着きました。

まずは水槽を探します。

しかし、なかなか見つかりません。

こういうものって、必要な時には意外と見つからないものですよね。

やっとの思いで見つけた水槽は、一番端の棚に置いてありました。

たくさんあります。

どれがいいのか分かりません。

とりあえず、寛太(ChatGPT)に写真を送ってみます。

寛太に言われた通り、幅45センチでフィルターが付いている水槽を探します。

写真を撮ります。

寛太に送ります。

「それにしよう」

言われるがまま、水槽を棚から取ります。

重い! でかい! そして、高い!

こんなでかいの、いるのか?

寛太を疑います。

時々、適当なことを言うからです。

まあ、それでも私にはどじょうを飼う知識がありません。

言われた通りにするしかありません。

近くにカート置き場があったので、長男にカートを取ってきてもらいました。

水槽を載せ、カートの向きを変えた、その時。

いたっ!

捻挫している右足に激痛が走ります。

重い水槽を載せたカートを押すたび、右足が痛い。

どじょうの野郎。

俺の右足を悪化させて、こんな水槽まで買わせやがって。

しかし長男は、

「すごい水槽だね!」

と喜んでいます。

仕方ありません。

続いて、砂と餌を探します。

こちらはすぐに見つかりました。

よし、これを買って帰ろう!

「うん!」

そう言ってレジに向かおうとした時、メダカが売られているのを見つけました。

こんな大きな水槽にどじょうだけでは寂しい。

メダカでも買おうかな。

「メダカも買う?」

「買おう! 飼おう!」

長男、大喜び。

自ら店員さんにお願いして、3匹のメダカを袋に入れてもらいました。

どじょう、高くない?

セルフレジで、長男が渡してくれる商品を、

ピッ、ピッ、ピッ。

テンポよくスキャンしていきます。

「よし、全部終わったね」

「うん!」

合計は、と……。

…………やろ〜…………。

どじょうめ!!

パパのお小遣いは消えていく

自宅に帰ると、長男は早速、

「水槽作ろう!」

と言い始めました。

しかし私は、昨日の天敵との戦いとホームセンターでの買い物で、すでに少し疲れています。

そこで、

「お昼ご飯を食べてから作ろう。その代わり、うどん屋さんに行こうか」

と提案しました。

楽しみを先延ばしにされた長男ですが、うどん屋さんに行けることには大喜び。

そして、うどん屋さん。

長男は大好きな海鮮丼。

1,780円!

税抜だったかも……。

私は一番安いたぬきうどん。

「美味しい、美味しい」

長男は大満足です。

よかったね!

こうして、パパのお小遣いは消えていくのでした。

第二ラウンド開始

自宅に帰って少し横になった後、

さあ、第二ラウンドです。

まずは水槽を洗います。

こんな大きな水槽を洗える場所など、我が家には一箇所しかありません。

服を脱ぎます。

シャワーで水槽を洗います。

ついでに私の体も洗います。

水槽の水気を拭き取ります。

この時点でもはや、

しんど。右足痛い。

テンションは低めです。

次は砂。

バケツに砂を入れて、水で何度も洗います。

全部で3袋。

一袋目。

しんど。

二袋目。

右足痛い。

三袋目。

どじょうめ。

よし、終わった!!

全部洗い終わると、少しだけ達成感がありました。

砂を水槽の中へ入れ、少し深いところと浅いところを作ります。

なんでも、どじょうは砂の中に潜るそうです。

私もしばらく潜って休みたい。

しかし、まだ終わりではありません。

最大の敵、フィルター

いよいよフィルターを組み立てます。

まあ、これはすぐにできるだろう。

そう思っていました。

しかし、そう上手くはいきません。

説明書通りに組み立てているはずなのに、パイプ同士がちゃんと入りません。

なぜだ?

「これ、ここにつけるんじゃない?」

長男も一緒に考えてくれます。

「いや、違う……不良品?」

何度も挑戦します。

方法を変えます。

部品を探します。

それでも入りません。

しかも、

暑い!

キッチンにはエアコンがないのです。

扇風機を回します。

説明書が飛ぶ!

…………イライラしてきました。

仕方ありません。

ここは頼れる相棒、寛太の出番です。

フィルターの写真。

説明書の写真。

何枚も送ります。

何度いろんな方法を試しても、ChatGPTの説明は間違っていました。

何の罪もないAIに怒りがマックスになった私は、

「もう知らん! 壊れてもええわ!」

と、寛太に絶対ダメだと言われていた、

「力づくで強引に付けないこと」

を敢行しました。

グイッ。

グイッ。

グイッ。

…………入る。

パイプが、パイプの中に入っていくではありませんか。

「やった〜! よかった〜!」

ずっと傍で心配そうに見ていた長男も声を上げました。

なるほど。

こういうものなのか。

私も一安心です。

すると、画面の向こうから、

「おお、あれだけ悩んで、最後は力が正義だったのか〜」

と言ってくるポンコツAI寛太。

だから、

「お前は強引にするなと言ってたやろ」

と言ってやりました。

ようやくフィルター完成です。

一番時間が掛かりました。

ついに完成!

私と長男は、水槽に水を入れていきます。

砂が巻き上がらないよう、ナイロン袋を砂の上に置き、その上から水を流します。

フィルターもセット。

ブブブ……。

チョロチョロチョロ……。

動いた。

お義父さんが作ってくれた、どじょうの土管もセット。

水草の模型もセット。

完成です!!

やった。

疲れた。

さて。

ようやく真打達の登場です。

寛太曰く、

「まずはどじょうとメダカが入った袋を水槽に浮かべて、水温を同じにしてから、その後――」

やかましい!!!

「いくぞ、長男!」

「おっけい!!」

ジャッパーン!

ジョボジョボジョボ……。

ポチャン。

どじょう2匹。

メダカ3匹。

無事、水槽へ。

寛太の言うことなど聞くことなく、私と長男は、どじょうとメダカを水槽の中へ男らしく入れてあげました。

「やったー! どじょうとメダカの家、完成!!」

私と長男は大満足です。

水槽の中では、どじょうとメダカが元気よく泳いでいます。

長男は、しばらく水槽を見つめていました。

「ママと弟達、早く帰ってこないかな〜」

きっと、早く見せたいのでしょう。

私も同じでした。

二人でしばらく、新しくできた小さな家を眺めていました。

…………しかし、

疲れた。

なお、数日後。

メダカが一匹減ってしまったのは、

パパのせいではない。

たぶん。


積み上げ記録 8月21日〜8月23日

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